DeeManiacs誕生について

DeeManiacsプロデューサー内嶋です。
今回のマガジンはDeeManiacsが誕生した裏話を書きます。

私の人生初のMTBダウンヒルレース参戦は1994年白馬岩岳で行われたイベントでした。
当時高校3年生で現在のようなSNSやインターネット等もなく、非常に少ない情報の中で自転車専門誌で見たマウンテンバイクのダウンヒルと言う何やら面白そうな種目に興味を持ち、取り急ぎダブルサスペンションタイプのマウンテンバイクを購入して挑んだのがこの大会。
普段得られる情報が少ないこともあり、イベントに集まる参加者同士は貴重な情報交換の場としてたくさんのコミニュケーションが生まれていたように感じる。
さてそのダウンヒルレースといえば、ゴンドラ山頂駅から山麓駅までのコースを一気に駆け下りると言うものだった。
きれいなバームやジャンプなどはなくゲレンデにコーステープが張られ、時折森の中にシングルトラックがざっくりと作られたコースを走ると言うものだった。
記憶が曖昧ではあるがタイムにして7分から8分ほど走ったように思う。
そしてこのワイルドな長いコースをどのように攻略するのかを自分自身でも考えるが、集まった参加者同士「あーでもないこーでもない」言いながら練習に励むのもまた楽しかった。
そんなダウンヒルレースコースは徐々にその様子を変え、2000年代中盤あたりから
タイム差を少なくし見ている観客が盛り上がると言う演出面からコースは短く設定する方向性に変わる。
私がダウンヒルレーサーを引退をするラストシーズン2008年にはスタートからゴールまで1つの細かなミスも許されないといった究極のレースとなった。
正直なところ走っていて楽しいと言うよりは勝てたら嬉しい。勝てなかったから悔しいと言う結果だけにフォーカスしたゲームとしか感じなかった。
自分がやりたかった事はこれではないと言う思いを抱き引退を迎えた。

2021年野沢温泉スキー場で一斉ダウンヒルのイベントを行うにあたり、運営アドバイザーとしてコース設定などに関わる機会があった。
そこでテスト走行を行ったのだが、シングルトラックやダブルトラック。ゲレンデの急降下、沢を渡るなど変化に富んだコースを一気に下っていると、とてもワクワクした気持ちになり、テストライドを何度もおかわりするほど気分が上がっていた。
いつまでも続くと思わせるようなロングコースで持ち合わせる知識やテクニックを使いスムースに気持ちよく走ることに没頭し、1994年の岩岳で走った頃に戻ったような感覚を覚えた。
俺が好きなのはこれだ!
この長さのある下り基調のコースをロジカルにそして時に大胆に攻めることこそがマウンテンバイキングなんだ!
この思いをみんなと共有できたら幸せだ。
そしてこの体験からまもなくDeeManiacsの企画はスタートしたのだ。